8月24日、我々に人生道・経営道を長きにわたりご指導いただいた、
稲盛塾長が90歳でご逝去されました。
いつかこの日が訪れるとは、心に留めていたものの、現実のこととなると、大変さみしく、
辛く、残念でなりません。
今から26年前、私が25歳で会社を創業した時は、まだ、京セラの稲盛さんという方は存じ上げませんでした。
そこから2年ほど経った27歳の時に、叔父から「盛和塾という経営者の集まりがあるから、お前も参加してみるか?」
と声をかけてもらい、横浜の全国大会に初めて参加しました。
その時、叔父に連れられ、稲盛塾長の所にご挨拶に行くと、
手を差し出し、わたしのような者と握手をして頂いた事は忘れもしません。
そして、温かい大きな手で、私の手をしっかり握り、
「ほ~若いな・・あんたみたいな人がこれからは頑張ってくれないとな!」と言葉を頂きました。
その瞬間、なんの涙かわかりませんが、涙が止まらなくなりました。
稲盛塾長と出会い人生哲学を学ぶまでは、いつも自信の無さから、背伸びをして、大きく見せようと
何かと常に闘って生きていました。
しかも、若くして創業しましたので、尚更、虚栄心を前面に出していたように思います。
しかし、稲盛塾長の哲学はそのような嘘の生き方ではなく、
「人間としての原理原則に従って生きること」
「利己を抑え、利他の精神をもって生きること」
このように、大宇宙の資質である「真・善・美」に則して生きると、かならず人生は
うまく行くという事でした。
それらの言葉を聞いた時、私は
「誇れるものが何も無い自分でも
この生き方なら、すこしづつでも前に進めるかもしれない」
と、良心が反応したのを感覚で覚えています。
そこから、公私において、今までの人生ではさほど気にも留めていなかった、
「愛」「善」「誠実」「利他」「良心」「良知」といった言葉が
常に頭に巡るようになりました。
ここまでは、稲盛塾長の教えに愚直に努力をしてきたからこそ、会社の素晴らしい仲間や、
すばらしいお客様や、すばらしい家族など、たくさんの素晴らしい縁に恵まれることができたのだと思っています。
「謙虚にして驕らず」
「自反尽己」
「事上磨錬」
「知良知」
「知行合一」
「逆耳払心」
人生は、このような指針・箴言・哲学をどれだけ実践できるかの真剣勝負だと思っています。
稲盛塾長にたくさんの、すばらしいお言葉をいただいた
わたしは、これらを実践することは義務だと思っています。
これから先、天国の稲盛塾長から
「しっかり実践しとるな・・・」と笑顔で話されている姿を想像し、
従業員とその家族のため、お客様のため、そして世のため人のため、家族のため、
に真剣に生きていきたいと思います。
稲盛塾長!本当に今までありがとうございます。
90年間、本当にお疲れさまでした。
門下生として、恥じない生き方に努めて参ります。
建野